プロの常識は逆?ソムリエが避けるワインの飲み方と絶対にやってはいけないタブー

ワイン雑学

「赤ワインは常温で飲むのが一番」「注がれたらまずはグラスを回して香りを楽しむ」……。

あなたがこれまで「ワインの常識」だと思って実践してきたその飲み方、実はソムリエから見ると「ワインの魅力を半減させてしまう、非常にもったいない行為」かもしれません。

ワインは、温度、グラス、そして飲み方ひとつで、驚くほどその表情を変える繊細な飲み物です。プロであるソムリエは、ワインのポテンシャルを最大限に引き出すために、あえて一般常識とは逆の行動をとることがあります。

今回は、ソムリエが「絶対やらない」と断言するワインのタブーを徹底解説します。これを知るだけで、今日からあなたのワイン体験が劇的に変わるはずです。

日本の「常温」は赤ワインにとって致命的な温度?

多くの人が信じている「赤ワインは常温で」という常識。しかし、ソムリエが最も避けることの一つが、日本の室内温度でそのまま赤ワインを飲むことです。

実は、ワイン用語で言う「常温」とは、フランスの涼しい地下貯蔵庫の温度(約12〜15℃)を指しています。高温多湿な日本の夏場はもちろん、暖房の効いた冬の部屋も、ワインにとっては「お風呂」のような熱すぎる環境なのです。

温度が高すぎると、ワインの繊細な果実味は失われ、アルコールの刺激や渋みだけが際立ってしまいます。ソムリエは、赤ワインであっても飲む1〜2時間前には冷蔵庫に入れ、適切な温度まで下げてから提供します。このひと手間が、ワインの「本当のバランス」を呼び覚ますのです。

注がれてすぐにグラスを回すのはNG

ワイングラスをクルクルと回す「スワリング」。プロっぽくて格好いい動作ですが、ソムリエは注がれた瞬間に回すことはまずありません。

なぜなら、まずは「回さない状態」の香りを確かめることが、そのワインの素顔を知るために不可欠だからです。ワインの中には、非常にデリケートな香りを持つものがあり、いきなり激しく回してしまうと、大切な香りの成分が飛んでしまうリスクがあります。

スワリングは、あくまで「香りが閉じている」と感じた時に、空気に触れさせて心を開いてもらうための手段です。まずは回さずにそっと香りを嗅ぎ、その後にゆっくりと回して変化を楽しむ。この「二段階の確認」こそが、ワインを深く理解する秘訣です。

ビールのようにゴクゴク飲まない理由

ワインを喉越しで楽しむビールやサワーのように、勢いよく飲むのもソムリエが避ける行為です。ワインはアルコール度数が比較的高く、その真髄は「余韻」にあります。

一口含んだら、すぐに飲み込まずに口の中で転がしてみてください。舌全体で味を感じ、さらに鼻に抜ける香りを意識することで、ワインが持つ複雑なストーリーが鮮明に見えてきます。

また、ソムリエはワインと同じ量の「水」を横に置くことを強く推奨します。口の中をリセットして次のひと口を新鮮に味わうため、そして何より身体への負担を減らして最後まで美味しく楽しむためです。

「肉は赤、魚は白」という固定観念を捨てる

「お肉料理だからとりあえず重い赤を」という決めつけは、素晴らしいマリアージュの機会を逃しているかもしれません。

ソムリエが注目するのは、食材そのものの種類よりも「ソースの色」や「味付けの濃淡」です。例えば、お肉料理でも鶏肉のクリーム煮ならコクのある白ワインが合いますし、お魚でもマグロの赤身や照り焼きなら軽やかな赤ワインが最高の相性を見せます。

特に注意したいのが「甘み」のバランスです。料理がワインよりも甘すぎると、ワインが酸っぱく、苦く感じられてしまいます。既成概念にとらわれず、味の調和を考えることで、ワインの楽しみ方は無限に広がっていきます。

古いワインを安易にデキャンタージュしない

ワインを別の容器に移し替えるデキャンタージュ。若いワインを「開かせる」のには有効ですが、20年、30年と熟成した古いワインに対しては、ソムリエは非常に慎重になります。

長い眠りについていた古酒は、急激に大量の酸素に触れると、繊細なバランスが一気に崩れて「死んでしまう(劣化する)」ことがあるからです。

また、開栓後に空気を抜く真空ポンプの使いすぎにも注意が必要です。空気を抜きすぎると、ワインの命である「香り成分」まで一緒に吸い出してしまうため、プロは「やりすぎないこと」を意識しています。

フォーマルな場で大切にしたい「他者への配慮」

ワインのマナーは、決して自分を飾るためのものではなく、一緒に飲む人やワインへの「敬意」から生まれています。

例えば、乾杯でグラスを「チン!」と鳴らさないのは、繊細なクリスタルグラスを傷つけないため。注いでもらう時にグラスを持ち上げないのは、注ぐ人が安定して適量を注げるようにするためです。

自分だけが満足するのではなく、その場にいる全員が心地よくワインの香りと味に集中できる環境を作ること。それこそが、ソムリエが最も大切にしている「最高のマナー」なのです。

まとめ:タブーを知れば、ワインはもっと自由になる

今回ご紹介した「ソムリエが避ける飲み方」を振り返ってみましょう。

  1. 日本の常温を避ける(少し冷やすのが正解)

  2. いきなり回さない(まずはそのままの香りを)

  3. ゴクゴク飲まない(口の中で転がし、水も一緒に)

  4. 色の固定観念を捨てる(ソースや味付けで選ぶ)

  5. 過度な空気接触を避ける(繊細な古酒や保存に注意)

これらは決してあなたを縛るルールではありません。むしろ、ワインが持つ本来の美味しさにたどり着くための「近道」です。

まずは今夜、買ってきたワインを飲む1時間前に冷蔵庫へ入れてみてください。それだけで、今まで気づかなかった新しい香りがあなたを驚かせてくれるはずです。

あなたは次のワインタイムで、どの「タブー」を卒業してみますか?

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